辺野古反対 の稲嶺氏再選 沖縄のたどる未来とは

沖縄-辺野古移設

名護市長選 推進派を破る

米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設が最大の争点となった名護市長選は19日投開票の結果、移設反対派を訴えた無所属現職の稲嶺氏(共産、生活、社民、沖縄社大推薦)が推進を掲げた無所属の新人の前県議末松文信氏(65)(自民推薦)を破り、再選を果たした。

昨年末の仲井真弘和知事による埋め立て承認を受けた政府の移設推進方針は他の同意を得られず、安倍政権に大きな打撃となった。。政府は移設計画に変更はないとしているが、遅れがでるのは避けられない。現時点で9年を見込む工期が見直しに追い込まれる可能性もある。移設問題は引き続き難航必至だ。米政府が早期移設を求める中、計画遅延が日米関係に影を落とす事態も想定される。

移設には、許認可権限を持つ名護市側と事前調整が必要とされる工事がある。稲嶺氏は当選を決めた後、記者団に「新しい基地は誰も望んでいないし絶対に許さない。埋め立てが前提の協議や手続きは全て断る」と力説。市民の信任を得たとして協力を拒否する考えを示した。反対派の抗議運動も激化しそうだ。

任期満了に伴う選挙。投票率は76.71%で前回を25ポイント下回った。知事は昨年末、辺野古沿岸部の埋め立てを承認した。市長選は知事の判断と移設の是非を問う「住民投票」の意味合いを帯びていた。

知事は19日夜、埋め立て承認について「有権者の意向は大きいが、もう承認したので今からどうこうできない」と見直すつもりはないと強調した。支援した末松氏は敗北したが、辞職する考えは「全くない」と否定した。那覇市で記者団の質問に答えた。

選挙戦で、稲嶺氏は知事の埋め立て承認を一貫して批判。一部の保守層の取り込みに加え、自主投票を決めた公明党県本部の支持層や無党派層への徹底した働きかけも奏功した。

末松氏は、安倍首相とのパイプの太さも強調したが及ばなかった。

基地は不要 民意示す

普天間飛行場の移設の是非が問われた名護市長選は、代替施設の建設を拒む反対派の勝利で終わり、沖縄県に新たな基地はいらないという市民の意思が示された。政府が沖縄の民意を無視し、移設計画を強硬に進めることは許されない。

1996年日米両政府が普天間移設で合意し以降、名護市長選は5回目。過去4回は容認派が移設問題を強く訴えず、争点化を避けてきたが、今回は新人候補が積極的に移設を推進する姿勢を前面に出し、初めて移設の是非を明確に問う選挙戦となった。

名護市面の多くは、移設と引き換えに政府が振興策を約束したことに「沖縄はカネにつられて基地を受け入れると思われてしまった」と反発した。

自民党の石破茂幹事長は選挙期間中、「基地の場所は政府が決めるものだ」と強弁した。知事が辺野古沿岸部の埋め立てを承認したことで移設問題は決着したと既成事実化を狙った発言だが、政府が地元の頭ごしに決めるのは当然だという姿勢は、市民の怒りに拍車をかけた。

市長選は一地方の選挙だが、民意より日米関係を重視する安倍政権の安全保障政策に待ったをかけた。23日には脱原発が争点に浮上した東京都知事選挙が告示される。原発を維持する姿勢を鮮明にしている安倍政権に反対する民意が示されれば、政府のエネルギー政策にとどまらず、政権の路線全体に大きな影響を与えることになる。

安倍政権の誤算

安倍政権は沖縄の基地負担軽減策と沖縄振興策を前面に出せば、普天間飛行場の辺野古沿岸部への移設に県民の理解が得られ、地元の名護市長選も有利に運べると計算していた。

その姿勢は、昨年末に仲井真弘和知事が決断した、埋め立て申請の承認をめぐる動きであわらになった。政府の2014年度の予算編成に合わせ、沖縄振興予算に概算要求を上回る3460億円を盛り込んだ。さらに、安倍晋三首相は沖縄振興予算として、21年度までに毎年3000億円を確保すると異例の約束までした。これを「大義名分」にして知事は埋め立て承認したが、政府や知事の思惑とは裏腹に、県民世論は「沖縄をカネで売るのか」と猛反発した。政府が約束した沖縄振興予算を「原資」に、名護市長選で経済振興策を訴えれば、勝てるというシナリオは崩れた。

それでも自民党は経済振興策を前面に出す戦略に固執。石破茂幹事長は投票3日前の16日に名護市入りし「安倍政権として全面的に支援し、国、県、市が協力して新たに500億円の名護振興基金をつくる」と唐突に表明した。高市早苗政調会長も選挙前に、那覇市で沖縄の主要企業幹部らを集め、21年度までの沖縄振興予算を売り込んだ。

確かに不況に苦しむ名護市民にとって経済振興策は魅力的だが、政府・自民党の札束でほほをたたくようなやり方に「ここまで甘くみられているのか」と移設賛成派の中でも嫌悪感が生まれた。逆に、稲嶺氏の「基地で栄えた市町村はない。カネをちらつかせて気を引こうという金権政治そのもの」との主張に共感が集まった。

中日新聞

沖縄の変遷を追う

沖縄の歴史 変遷

普天間基地をめぐる沖縄の変遷

普天間基地返還運動のきっかけは、米軍による「米兵少女暴行事件」で一気に高まった。当時、沖縄の人たちは米軍に対する不満はあったものの、そこまで高くはなかった。しかし、この事件で日米の在り方が大きく問われることとなる。

アメリカは治外法権を理由に被告人の日本での裁判を拒否。引き渡しを拒んできた。つまりは日本で犯罪を犯しながら、アメリカの法廷で裁かれるということだ。当然、日米の法律は違うため、被告人にとって有利なものとなるのは言うまでもない。

しかし、度重なる米兵の犯罪に沖縄の人たちの怒りは頂点になった。そこで、日米両政府は「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」を発足させ、米軍沖縄基地の縮小・統合を検討することとなる。

普天間基地

普天間基地-基地のすぐ近くには住宅街が広がる-

1996年4月に橋本龍太郎首相とクリントン大統領との間で、代替施設を運用可能とすることで、普天間基地の全面返還されることで合意した。当時の稲嶺知事は「飛行場の軍民共用」と「15年の使用期限」を条件に移設候補地として、名護市辺野古沿岸域を指定した。つまり、当時辺野古への移設は一度決着した形だった。

しかし、鳩山政権を経て再び沖縄と政府の関係が悪化し、こう着状態となってしまった。少し前、沖縄県知事の仲井真氏が辺野古への移設を承認したことで事態は大きく動いたかに見えたが、移設反対派の稲嶺氏が当選したことで、再び普天間基地問題は大きく揺れ始めた。

移設反対派の稲嶺氏の当選は今の沖縄県民の民意であるが、日本には中国・韓国との領土問題と日米安保を抱えており、沖縄における米軍の抑止力もまた日本の国防上大変重要な問題なのである。

長年にわたり、普天間基地を巡る問題はさらに先の見えない状態となってしまった。果たして安倍政権は、この結果を受けてどう対処するのか?日米安保を優先し、強硬を貫くのか?それとも自国の防衛力を高め、日米安保を見直すのか・・・。大きな選択を迫られている。

安倍首相と仲井真知事 会談

安倍首相と仲井真知事 会談


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